フワフワの被毛に覆われた可愛い猫さんたち。
ですが、そんな被毛があるために発見が遅れてしまうのが皮膚炎からなる病気たちです。
この記事では猫さんの皮膚トラブルを素早くキャッチできる日々の生活の中で気を付ける点などをご紹介していきます。
ハゲは皮膚トラブルのサイン!
可愛い猫さんにハゲができてしまうとガッカリですよね。
なかには「わかってあげられなくてごめんね…」と自分を責めてしまう飼い主さんも多いようです。
ですが、
そんな猫さんのハゲは皮膚トラブルの可能性が高いですから、
ガックリするまえに、まずはしっかりとした処置をしてあげましょう!!
猫さんは被毛に覆われているので、パッと見た感じでは発疹などはわかりません。
ノミやダニの場合は猫が痒がってはじめてわかることもあります。
こういった対策には、日々のコミュニケーションやスキンシップに変化を創るとこが第一です。
毎日習慣にしたスキンシップから次の症状があれば適切な対処をしていきましょう。
猫の皮膚トラブルの症状
猫さんのハゲは皮膚トラブルのサインとお伝えしていますが、ハゲができているということは何かの症状がでている段階なので、できるだけハゲになる前段階で症状に気づくためのポイントをご紹介します。
日々のブラッシングなどで皮膚をチェックしながら状態を把握しましょう。
毛が抜け落ちる
猫さんは毛の抜け変わる時期「換毛期」があるため毛が抜けることは正常なことです。しかし、一部分だけ集中して毛が抜けて皮膚がみえる状態になっている場合は皮膚トラブルの可能性があります。先に伝えたようにハゲは初期症状よりも多少進んだ段階だと考えた方がよいでしょう。
毛が抜け落ちるについての原因はさまざまですが、抜ける場所によって病気の傾向がわかる場合もあります(扁平上皮がんなどは白い毛や毛の薄い部分にその傾向がみられます)。皮膚炎での掻きむしりできるハゲや内分泌の異常などでもハゲはできます。※首輪がこすれてハゲ場合もあります。
かさぶたがある
外に出している、もしくは多頭飼いで起こる猫同士の喧嘩などでできる外傷によるかさぶた以外でもかさぶたはできます。
それらは皮膚病による皮膚の炎症から、猫が痒みにより掻きむしってできるかさぶたです。また、それ以外にも「濃皮症」という皮膚の細菌による症状もあります。この場合はのかさぶたはいくつか特徴がるため診断時に確認してもらいましょう。
被毛がベタベタして脂っぽい
グルーミングをしているときに被毛に触れるとベタベタと脂っぽさを感じる場合は、皮脂の分泌に異常を起こす皮膚病「脂漏症」などが考えられます。こいった脂っぽさをがある場合は同時にフケや体臭などもみられることがあります。
掻くことが多い
皮膚のトラブルで多いのが炎症による痒みです。猫は痒みを感じると自分で患部を掻きむしり、部位によってはガジガジ噛んだりしきりに舐めたりします。これらは皮膚トラブルの可能性があります。他にも痒がる仕草でに首を振りながら前足で頭を触ることがありますが、それらは中耳炎や耳ダニなどが原因かもしれません。
発疹がある
なかなかわかり辛い症状の一つに発疹があります。被毛に覆われているカラダの部分は特に難しいので、日常的に猫の行動を観察して痒がっているようなときは毛をかき分けて直接肌を確認しましょう。被毛が少ない部分(顔周辺や耳など)であれば発見しやすいです。症状は赤くなっていたり、ブツブツがあります。
猫の皮膚トラブル、考えられる原因
猫の皮膚トラブルの原因は様々ありますが、ここでは代表的な原因をご紹介します。
アレルギーによるもの
猫も人と同じようにアレルギー反応があります。食べる物やハウスダスト、花粉などのアレルゲンに免疫機能が反応して起こるのがアレルギー性皮膚炎です。アレルギー皮膚炎といっても反応するものにより場所や症状が変わってきます。
顔や首などの痒みやそれに伴う脱毛などがある場合は食物性のアレルギーが考えられます。それらは下痢や外耳炎など消化器症状になる場合もあります。お腹や背中に広範囲に皮膚炎を起こす場合はノミアレルギーによる皮膚炎が考えられます。こちらは強い痒みがあるため猫が掻きむしるような仕草があった場合は注意しましょう。
ストレスによるもの
人と同じく猫にもストレスがあります。新しく猫を迎えたり、引っ越しや大きな模様替えなどをすると猫はストレスを感じます。人間のようにストレスを発散する手段が多くない猫はカラダを舐めて落ち着こうとします。
カラダの一部を舐め続けるとその部位が脱毛したり、ひどい場合は炎症を起こすこともあります。
先に挙げた猫のストレスに繋がる行為をしたさいに舐めることが多くなった場合は注意してみてあげましょう。確認する部位は舐めやすい手や後ろ足、太ももの内側などです。また、舐めることで毛を飲み込むことが多くなるので毛玉を出す仕草が多くなったときも注意が必要です。
寄生虫などの害虫によるもの
猫の害虫といえばやはりノミやダニです。この代表格のノミやダニはどちらも猫の皮膚トラブルに大きく影響しています。
ノミは「ノミアレルギー性皮膚炎」というものがあり、先のアレルギーの一種です。こちらは猫に寄生するネコノミが吸血する際にだす唾液に反応して症状を引き起こします。発症すると痒みに襲われるため猫はカラダを掻きむしります。すると皮膚に傷がつきウィルスや細菌感染などのリスクも高くなります。
ダニに寄生されて起こる「疥癬(かいせん)」も非常に痒みを伴うことで知られます。この疥癬は皮膚の中炎症を起こすので痒み強くなります。また外猫さんに多いのが「耳ダニ」です。吸血などはしないので刺すこともありませんが、耳の中を動き回るため猫は耳を掻こうとします。
その他「ツメダニ」などの種類もりますが、基本的に外との接点がある猫さんが「痒そうにしている」場合はノミやダニを疑ってみましょう。
猫の皮膚トラブルの調べ方
猫の皮膚トラブルの症状や原因はある程度わかってきましたが、やはりトラブルは早期発見したいものです。
ここでは日常に自宅でできるチェックと、病院で行う診察内容についてお伝えします。
どちらも把握することで、病院の先生とのやり取りをスムーズにし早期発見に努めましょう。
自宅での調べ方
自宅で調べる場合は、「病気を探す」と気負いせず日常の習慣としてグルーミングを増やしてあげることから始まんしょう。特に外出する猫さんには帰ってきた際にブラッシングなどすることをお勧めします。
● 問診表に意識しましょう
これはどんな病気にも当てはまりますが、お医者さんの視点が分かれば素早く察知できますしお医者さんにお世話になるときにも役立ちます。病院に行っている人はその時のことを思い出しながら、はじめて猫さんを迎える人は下記表を見ながら日常の生活の中で変化があった場合は注意して下さい。
患部はどこか? | 痒がっている場所を特定します。 |
症状はいつからか?、その程度は? | いつからかの期間、痒みの程度、症状の悪化などあれば伝えます。 |
室内飼いか、外出ありか | 外界との接触を把握します。「庭に野良猫がいる」なども伝えましょう。 |
同居動物はあるか | 同居猫や犬などがいる場合は伝えます。 |
ノミやダニの予防はしているか? | 寄生虫対策に何をしているかを伝えます。 |
これらを日々意識しながらグルーミングを行いましょう。
少しでも痒そうにしていたら、「ここが痒いのかなぁ~??」とブラシかけながら肌を確認しましょう。
そこに何か変化を感じたら、そこから記録するのも結構ですし状態によってはすぐに病院へ行きましょう。
また上記の問診以外で大切なのは、日々のグルーミングで患部の特定ができた場合は写真などに記録しておきましょう。
● ノミやダニとった寄生虫の確認
日常のグルーミングでもう一つ気を付けるのが寄生虫(ノミ・ダニ)の確認になります。皮膚トラブルの原因にかかわることが多いですから注意してみていきましょう。なお、完全室内飼いであっても飼い主さんがアウトドアなどで持ち帰ることも考えられますから猫さんとのコミュニケーションと思い確認しましょう。
ノミがいる場合はピンピン跳ねて気づくこともあります。簡単に捕まえられるものでもありませんが、ノミ取りクシなどを使いながら捕殺しましょう。ダニは動きが遅いですが発見するときはしっかり噛みついているので処置は大変です(人が噛まれた場合は病院をお勧めします)。
病院での検査内容
病院での検査ではまず問診からはじまりますので、先の自宅で把握した症状と気になる点を伝えていきましょう。
そこから下記検査を行っていきます。
● 皮膚(被毛)の検査
問診を終えてか同時にか患部の確認を行います。その際患部に発疹やできものがあれば注射器で細胞をとる場合もあります。これらは細菌や真菌の確認をしています。これによりどういった皮膚病かの的を絞っていきます。
● アレルギー検査
アレルギーのよる皮膚病が疑われる場合は、そのアレルギーが何に反応しているのかを調べます。血液検査からアレルギー物質を特定する「アレルギー試験」や、食材によるアレルギーを特定する「除去食試験」などの方法があります。
※食材の特定は、原因と思われる食材を抜き症状の改善があるかを調べるため期間が長くなります(約8週間程度)。
● 血液検査
皮膚の検査、アレルギー検査でも「血液検査」がありますが、体内での異常を知るために他の検査とあわせて行われることが多くあります。気になる場合は先生に何のための採決かを確認しましょう(基本的には説明あるはずです)。
猫の皮膚トラブル治療と注意点
ここまでお伝えしたように猫の皮膚トラブルは多岐にわたります。また状況によっては治療に期間を要するものもあります。
ですから、日常の生活の中で違和感を感じればまずは自分でチェックして下さい。そして何某かの症状があれば自己判断せずなるべく早く受診するようにしましょう。
ちなみに大手動物保険のアニコムさんが発表している「家庭どうぶつ白書2016」では皮膚病にかかる年間費用は平均19,077円だそうです。これは平均ですが加齢により金額は倍増しているようですから、早期発見するにこしたことはないですよね。
予防は毎日の習慣から
なによりも大切なのは、猫さんとのコミュニケーションをしっかりすることです。
食事への興味は違わないか、水の減り方に変化はないか、トイレの量はどうか、痒そうにしていないか、グルーミングを嫌がらないかetc…
皆さん必ず行っていると思いますが、少しだけチェックすることを意図して猫さんに奉仕していきましょう。